アメリカで10年以上、技術系のお仕事紹介やコントラクターのアレンジメントを行なってまいりましたが、グローバル化に伴い、日本からアメリカ就職を希望される方が増加しているのを実感しております。
しかし、多くの方はアメリカで働きたいという思いは強いものの、具体的にどうしたらアメリカで働けるか、自分はアメリカで働ける条件がそろっているかなどの情報を持っていらっしゃらないことがわかりました。
そこで、一人でも多くのアメリカ就職希望者の方のお役に立てるようにこの個別キャリアカウンセリングを行なっております。
私がお仕事をご紹介するときに必ずお聞きする質問です。次のような回答が一般的です。
日本で育った日本人がアメリカで働くということは、簡単なことではありません。いろいろな困難な問題や苦労を乗り越えてゆくには強烈な意思が何よりも大切です。
それがたとえ夢であっても、何とか実現してやるというという一念は時として不可能をも可能にするものです。
アメリカではそれぞれの地域により主力となる産業が違います。お仕事を探す際に自分の得意分野が活かせる会社が多い地域を重点的に狙うのもよい方法です。
ロサンゼルス:物流、販売、サービス
シリコンバレー:研究、R&D、技術系ベンチャー
シアトル:ソフトウエア、航空産業関連
ニューヨーク:金融、証券、保険、商社
中西部・南部:自動車製造業、部品メーカー、機械関連
メキシコ: カリフォルニアからテキサスにかけてのメキシコ国境は電機、機械、自動車関連製造業が多いが、最近は国境地帯からメキシコ内陸への移転が増えている。
現地の企業がわざわざビザのスポンサーをしてまで日本からの応募者を採用する理由は、ローカルで適当な人材が採用できないからです。適当な人材というのは、必要な知識、技能、経験があり、給与も予算内で、人格的にも申し分ない方ということです。この点を念頭において就職活動を行ってください。
就職活動は次のような流れになります。
- アメリカに行く目的や期間をはっきりさせる(就職の場合は長期が原則)
- 英文のレジュメ(履歴書+職務経歴書)を作成する
- 現地のポジションの情報収集、現地エージェントとのパイプ作り
- 応募できるポジションの絞込み
- 現地訪問(現地の経験がない方は是非とも行ってください)
- 具体的なポジションに対する応募
- 電話によるインタビュー
- 現地での担当者とのインタビュー(日本の本社でインタビューできる場合もあり)
- オファー(採用通知)、交渉、採用受諾
- ビザの取得
- 信用、学歴、犯罪歴などの調査(バックグラウンドチェック)
- 引越し
- 就業開始
基本的にはアメリカでは正社員でも契約関係という意識が強く、各社員は社内で会社との契約内容を履行する個人商店的意識です。自分の価値やステータスは自分が作るという考えです。また、社員の採用はそのポジションの直接の上司が行うのが原則です。以下に主な日米の雇用の違いをまとめてみました。
アメリカでは採用時の給与設定に対し、職務経験に最も重点が置かれます
就職後は実績により定期的に個人的給与交渉があります
日本式の「縁の下の力持ち」の業績は評価されにくいです(不言実行ではなく有言実行、事前のコミットメントが必要)
どんな経験者でも専門分野が変われば給与は低いところからのスタートになりますが、実績が上がれば交渉により適正値にすることができます。もしも実績が上がっているのに会社が交渉に応じない場合は転職のチャンスです。
企業にとってビザのスポンサーをすることは経費もかかり、リスクや責任も生じるので、ビザ付きのポジションは平均より給与レンジが低くなるようです。
以下は初任給の給与レンジ(年俸)の目安です。(業界や地域で格差があります)
インターン : $15000 ~ 20000
大卒 : $28000 ~ 45000
大学院卒 : $42000 ~ 55000
中級経験者 : $50000 ~ 70000
上級経験者 : $70000 ~ Up to you!